著作権意識

2004年のNYでの個展の翌年、ギャラリーから突然ファックスが届いた。

NYのアーチストがTV局のインタビューを受けた時に、なぜかギャラリーに預けてあった私の作品の前でインタビューを受けると言うことで、著作者の許可を取ってほしいということだった。

私は別になんとも思っていなかったのだが、アメリカでは著作者の許可がない作品等を映像に撮ってオンエアすれば完全な著作権法違反で厳しく罰せられる(日本もそうなのだが)というので、わざわざファックスに自筆でサインをして送り返してほしいとのことだった。著作権意識の高さを目の当たりにしてこれが世界基準なんだととても驚いた。

 

翻って日本の著作権意識はどうだろうか。

あれから、約20年経つが、ここ2年の間だけでも、作品の写真を何枚も無断転載されたり、作品画像を許可無く修正してこともあろうに「こんなふうな作品を作ってほしい」と美術関係の法人が依頼をしてくる。立て続けに著作権を侵害された。

問題はこちらが指摘してもなんら悪びれないと言うことだが、さすがに、前者についてはこの加賀友禅工房に厳しく問い正したところ、即刻削除した。自分の作品があたかも違う作家の作品として無断転用されることほど腹立たしいことは無い。

 

40年近く前になるが、この業界に入りたての頃、ある作家が昔の作家の作品を丸写しにしたものを自分の作品として作っていたので、「そんなことをしてもいいのか?」と聞いたところ「あんた、そんな甘いこと言うとったら食っていけんぞ」と逆に言われた。若かったので言い返せなかったが、悔しかったので今だにはっきり覚えている。その作家はバブルと共に消えた。全くどっちが甘いのか。

 

先日、今でも日々着物制作をされている、私も敬する貴重なご高齢の先輩の作家とお話ししたのだが、彼は自分が責任者として長年任されてきた加賀友禅の作品展を今年で辞めると、憤慨して言われていた。理由は、出品者の加賀友禅作家が二人も有名作家の作品を丸々盗作していたからということだった。彼の悔しい思いは察して余りある。

 

友禅業界に限らず、2020東京オリンピックのエンブレムのデザインが盗作されたものと発覚、再募集された。それを契機に全国的に画像検索による盗作探しが始まり、知名度のあるデザイナーの作品が全くの盗作(コピペ)だったことがあちこちでかなりの数指摘された。本当に呆れた。

盗作しながら仕事をしていた作家擬きやデザイナー擬きはそれなりに美術教育を受けた人たちである。中には現役で大学で教えている輩もいた。教育現場は何をしているのか。

他国の著作権意識をとやかく言えたものではない。日本の美術、デザイン業界(一部を除く)は致命的にガラパゴスである。

 

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